■買う前に欲しいかどうか聞く
祖父母世代の行動で「断りにくいけど、正直困る」のが、いろいろなものを買ったり作ったりしては「押し付けられる」こと。「可愛い孫に何か作ってあげたい、買ってあげたい」という気持ちはありがたくても、生活スタイルに合わないものや、スペースの都合で置けないものなどは、ありがた迷惑でしかない。
また嬉しくないものを送られても、「着せたり、遊ばせたりしているところを写真に撮って送らないといけない」「迷惑だと思っているのに、お礼を送らないといけないのがさらに迷惑」という子ども世代の本音もある。
「子ども世代としては、『モノよりお金をください』というのが正直なところ。ですが祖父母としてはお金を渡すのは『あまりに味気ない』ということになる」(棒田さん)
解決策としては、何か買いたくなったり作りたくなったりしたら、まずは子どもたちに欲しいかどうか聞いてみること。
「『その予算ならこっちのほうが欲しい』という目安になることもあります」(おやのさん)
複数の孫との付き合い方にも注意だ。岡本信子さん(仮名・70歳)は、3人の子どもと4人の孫を持つ祖母。子どものうち、娘1人は近居で、息子2人は遠方に住んでいる。必然的に近くに住む孫とは頻繁に会うことができ、孫もなついてくれることから、どうしても「一番可愛い」と思ってしまう自分がいる。
それでも平等を心がけ、保育園の入園や誕生日には、それぞれ同じぐらいの予算で似たようなものを送ってきた。そうしたときの反応も、相手によって異なってくる。
例えば遠方に住む長男の妻は、プレゼントが届くとすぐに「ありがとう」コールが鳴り、喜ぶ孫の写真や動画もたくさん送ってくれる。対して次男の妻は、プレゼントを送っても1週間ぐらいは平気で放置。忘れたころに「ありがとうございました」とさっぱりしたLINEが届くのみ。最も連絡頻度が少ないのが次男世帯ということもあってか、次男の子どもに当たる孫は、あまりなついてくれないままに小学生になった。そんな矢先のこと──。
「父さんや母さんの近くに住んでるといいよな。いろんな物を買ってもらえるし、よく外食に連れてってもらえるし、一番恩恵を受けてるのはお前のところだよな」