原点は大学時代にある。
起業し、企業から出資を受け、教育系のカードゲームを作っていた経験だ。
ゼロから最終過程まで考えるのが面白く、企画の骨子は必ず自分で考えることに、こだわってきた。自信がある企画書でも、あえて疑いを持つことで、新たな視点からやり直す。それが今も変わらない、信条だ。
社外の開発メンバーにも、なるべくお互いのメリットが同程度になるように、気を配る。これまで泣く泣く断念した企画もあるが、一緒に開発に携わってくれたクリエーターには、新たな仕事で恩返しすることも心がけている。
いまやTCGのプレーヤー人口は、世界中で広がっている。今後も欧米でのシェアを増やそうと、大志を抱く。その目は輝きに満ちていた。(ライター・米澤伸子)
※AERA 2023年1月23日号