全国各地のそれぞれの職場にいる、優れた技能やノウハウを持つ人が登場する連載「職場の神様」。様々な分野で活躍する人たちの神業と仕事の極意を紹介する。AERA 2023年1月23日号にはバンダイ カード事業部 TCG開発チーム・アシスタントマネージャーの川島達郎さんが登場した。
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バンダイのTCG(トレーディングカードゲーム)の欧米展開で大きな成功をおさめた、立役者の一人だ。33歳。事業の好調さは海外での人気にも支えられている。
欧米でのビジネスから一時撤退していた同社のカード事業部において、再び打って出ようと、綿密なビジネスプランを立てた。社内プレゼンで採用され、2015年から欧米市場に挑戦してきた。
最初は、北米から仕掛けた。だが、その道のりは険しかった。
商品の輸送方法から到着までの期間やコスト、現地の問屋などを調べるところから始まった。同時に、オリジナルキャラクターを使ったカードゲームも開発した。
販路拡大のため、北米の商談会に参加したが、会場に行ってみると、ブースには間違った社名が掲示されていた。社名すら知られていないのが現実だった。
市場調査を重ね、挑戦を続けるうちに、商品は大ヒット。事業は軌道に乗った。
その時に日本と欧米では、ゲームに対する感覚や面白いと感じるポイントが違うことに気づいた。そこで欧米に向けてカードの仕様やゲームのルールなどを細かく変えるように改めるなどして、苦戦していた事業を回復に導いた。
さらに、日本人だけで作っていたのを、現地のゲームクリエーターと共同開発する体制に変更。
今では年間4タイトル、約3千種類のカードを作るほどの人気だ。