当選後の今、勝因をこう振り返る。

「とにかく色んな立場の人たちが関わってくれた選挙でした。その人たちにとって『自分ごと』になったということが一番大きかったと思っています」

 就任後の報道では、「杉並区初の女性区長」という点も強調された。過去に記者が取材をした中では、性別にのみ注目が当たることを当の本人が快く思っていないケースもあった。「岸本さんの場合はどうですか?」と聞いてみると、あっけらかんと答えた。

「むちゃくちゃ強調したいです(笑)。こないだ、省庁発の学習イベントに参加したんですが、講師は25人全員が男性だったんです。もしこれが国際的な会合であれば、性別はもちろんのこと、人種のバランスも考慮しないといけない。でも、日本の社会はこの状態が当たり前に粛々と続いてきたんだなと思ったのね。そのくらい男社会なんだから、風穴あけなきゃダメでしょ、ぐらいの気持ちでいます」

 当選後は日本外国特派員協会で会見を開くなど、海外メディアからの関心も高い。杉並区というローカルな単位から、今後どのような変革が起こるのか。いま、世界からの注目が集まる。

(本誌・松岡瑛理)

※週刊朝日オンライン限定記事

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