■西瓜(すいか)
水分が多いことから「水瓜」の字も当てられる
ここでの「西」は中国の西方を表します。つまり、西から伝わった瓜という意味です。日本には、中国から伝わったといいます。「西」を「すい」と読むのは、中国の宋の時代以降に日本に伝わった唐音です。水分を多く含んでいることから、当て字で「水瓜」とも書きます。
■紫陽花(あじさい)
白居易が詠んだ紫陽花とは別物
漢字表記は、中国の唐の時代に活躍した白居易(はくきょい)という詩人が残した「紫陽花詩」という作品に由来します。平安時代につくられた『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』という辞書で、日本の「あじさい」が白居易の「紫陽花」だと紹介し、「あじさい」を「紫陽花」と書くようになったといわれています。実際には、白居易の「紫陽花」はまったく別の花だといいます。「あじさい」の語源は、「集まる」意味の「あづ」と「真藍(さあゐ)」の略の「さゐ」を合わせた「あづさゐ」の変化だといいます。青い花が集まって咲くという意味です。また、褒め言葉の「あぢ」と青い花を意味する「さゐ」を合わせた「味狭藍(あじさゐ)」に由来するという説もあります。
監修/久保裕之(立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所)
文/美和企画
※『みんなの漢字』2018年9月号から