その結果は、平均世帯視聴率だけでなく、瞬間最高視聴率の低さにも表れている。

「瞬間視聴率が40%を切ったのも衝撃的でした。“テレビ離れ”が叫ばれる中、そもそも『紅白』という番組自体に関心がないという人が増えている証左ではないでしょうか。ここまでくると、来年以降の『紅白』の存在意義も問われる可能性すらあります」(同)

 また、テレビ番組を手掛ける放送作家からはこうした意見も。

「ジェンダーレスを意識して紅組司会、白組司会を廃止して『司会』に呼称を統一しておきながら、男性歌手は白組、女性歌手は紅組という従来の枠組みや投票により優劣を競う歌合戦形式はそのままというところが、いかにも中途半端でコンセプトがよく分かりません。それに、たたでさえ演歌勢が減っているのに氷川きよしさんや水森かおりさんらにオリジナル曲でない懐メロを歌わせたのも微妙でした。それなら以前のようにオリジナル曲を歌うパートも作ってあげて、懐メロは特別企画として別枠でやればいい。ただでさえ、『紅白』は歌を楽しむ以外の無駄な演出が多いイメージがあるなかで、打つ施策がことごとく逆効果になったと思います」

 目新しさばかりを追求した結果、長らく番組を支えてきた“偉大なるマンネリ”の良さも失われてしまった紅白。まさに迷走状態に入った観もあるが、来年の巻き返しはあるのだろうか。(立花茂)

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