『2倍速で読めて、忘れない 速読日本史』から。一部の行の背景色を変えるなど、読みやすい工夫が施されている
『2倍速で読めて、忘れない 速読日本史』から。一部の行の背景色を変えるなど、読みやすい工夫が施されている

 「読書アシスト」の特徴は一目瞭然。まず目につくのが、1行ごとに行の先頭を1字ずつ下げていることだ。さらに行末にも工夫があり、文節を分断しないように改行をしている。一見するとふぞろいな行末となっているのだが、こちらの方が視線の移動がスムーズになるという。また、本書は横書きなのもミソ。これが縦書きとなると「現状では同様の効果が得られないようで、別途研究が必要のようです」(内田さん)

 さらに、これは注意して見ないと気付かないのだが、文字の位置が文節のまとまりごとに少しずつ下がっている。これも文節ごとに視線を移す工夫だ。ほかに、一部の行の背景色を変えるなど、行間や文字のレイアウトにも人間工学に基づいた読みやすさを徹底しているという。初版は8千部で、発売後の反響は大きい。

「速く何回も読んで記憶に定着させることができるので受験生やテスト対策にピッタリです。(内容も)人物主体で読み進められるので物語のように面白く読めますし、大人の学び直しということでもオススメ。今でしたら大河ドラマで扱っている鎌倉時代とか日本史はとても人気があり、効率よく必要な知識を得ることができます」(内田氏)

 まずは学生からの需要も大人からの人気も高い日本史を扱ったが、次作では読者からの要望が高かった世界史版だけでなく、小説などにも活用を考えているという。この速読レイアウトが日本語のスタンダードになる日が来るだろうか。


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