教授によると、これからあたしたちが今の生活水準を維持していくのは不可能である。しかしそれでも、出来る範囲で可能に近づけるべきだと思う。取り返しがつかないまでに衰退してしまえば、人も企業も他国へ流出し、さらに深刻度は加速する。
この国が存続していくには、今、外国の方々に来ていただく以外はないのではないか? 日本の賃金は、世界の先進国の中でもかなり低いけれど。お隣の韓国より安いけれど。そんな中で来てもらう。差別なんてとんでもない、感謝こそすれだと思う。こんな大事なことを、政府やマスコミが国民に真摯に伝えているとはいえない。
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日 2022年1月21日号