作家の室井佑月氏は、日本の存続を危ぶむ。
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2022年こそ良い年になるといい。それはあらゆる誤魔化(ごまか)しを止め、辛くても真実を受け入れてからこそだと思う。
先週号で、国土交通省が8年間にわたって重要データを改ざんしていたことや、厚生労働省が毎月勤労統計の不正調査で、実質賃金は下がっているのに上がっているようにみせていたことを書いた。GDPを大きく見せるためらしいとも。そして、それは的確な国の未来予想を阻み、国の存続を脅かす行為であると。
まず、こういった国のデタラメを止めさせなくては。予算(税金)は潤沢じゃない。一部の人間が今だけ自分たちだけという感覚で使っていいはずがない。余裕がない。データに基づいた専門家の提言を真摯(しんし)に聞き、オープンな議論を進め、無駄なく税金は使われるべきだ。
そして、国やメディアはほんとうのことを言え。たとえば、東京都武蔵野市議会の本会議で12月21日、日本人と外国人が同条件で参加できる住民投票条例案の採決があり、反対多数で否決となった。同日付の毎日新聞には、こんなことが書かれていた。
「成立すれば全国3例目となる国籍を問わない制度案として議論に注目が集まり、街頭やインターネット上では『武蔵野が乗っ取られる』などと外国人の排斥をあおる主張も繰り返されていた」
反対した人たちは、この国の現状をきちんと知っているのか?
12月19日配信の「幻冬舎 GOLD ONLINE」の「『急降下していく』早稲田名誉教授が警告『日本の恐しい未来』」という記事の中で、浅川基男早稲田大学名誉教授は、こういっている。
「このまま移民政策などを採用しなければ、100年後は5千万人に舞い戻るのはほぼ確実である。(中略)2050年まで1億の人口を保つためには、累計で1714万人(年間平均34万人)、生産年齢人口(15~64歳)を維持するシナリオでは累計3233万人(年間平均65万人)もの移民が計算上必要となる。どうみても実現可能な施策ではない」