AERA 2022年1月17日号より
AERA 2022年1月17日号より

 FDは110.01点で、総合178.17点。優勝が分かった瞬間、美里は「やった」と跳びあがった。

NHK杯よりも点数を出せて成長できました。(村元、高橋組がいたことで)ここで練習を終わっていいかなという時に、『いやもう少し』という起爆剤になり成長できました」(美里)

 尊も涙ぐんでこう語った。

「美里と一緒だったから、ここまで強くなれました」

■もう1回世界と戦える

 翌日、五輪代表が発表された。名前を呼ばれたのは小松原組で、真摯(しんし)な表情で受け止めた。一方、1月の四大陸選手権(エストニア)と3月の世界選手権(フランス)は、村元、高橋組の名前が読み上げられた。

「名前を呼ばれた時にはガッツポーズ。もう1回世界と戦えるチャンスをいただけました」

 村元はそう喜んだ。高橋も、こう宣言した。

「五輪という結果は出せませんでしたが、4年前はこの年齢になって違う競技をしているとは想像すらしていませんでした。まだまだ良い景色を見たいという気持ちがあります。世界選手権で日本2枠を持ち帰れたら、2023年は(小松原組と)一緒に立てるかもしれない。そういう意味でも、僕たちは精いっぱいやっていきます」

(ライター・野口美恵)

AERA 2022年1月17日号

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