林:そのときはもう結婚されてたんですか。

上田:えっと、結婚はいつだったか……。5、6年前かな。

林:忘れちゃった? 奥さんに怒られちゃいますよ(笑)。いずれにしても「カメ止め」を撮る前ですよね。家庭を持ったタイミングって、売れないお笑い芸人とか役者の人が夢をあきらめて、ふつうの会社に入るってパターン、よく聞きますけど、なんで監督は家庭を持っても「映画をやるぞ!」と思えたんですか。

上田:妻も映画監督だったことは大きいですね。それと、僕は妻と出会ってから、いろんなことがうまくいき始めたんですよ。だから、妻には感謝というか。

林:それはよかったですね。いつまでも仲良くして、これからも見た人が度肝を抜かれるようなおもしろい映画をたくさんつくってください。

上田:はい、頑張ります!

(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)

上田慎一郎(うえだ・しんいちろう)/1984年、滋賀県生まれ。中学生から自主映画を撮り始め、高校卒業後も映画を独学。2009年、映画制作団体を結成、代表を務める。18年、劇場用長編映画デビュー作「カメラを止めるな!」は興行収入31億円を突破、国内外の映画賞を多数受賞した。その後も「イソップの思うツボ」(19年、共同監督)、「スペシャルアクターズ」(19年)、「100日間生きたワニ」(21年、共同監督)など、話題作を監督。1月14日から、脚本・監督を務める映画「ポプラン」が、全国ロードショー。

週刊朝日  2022年1月21日号より抜粋

[AERA最新号はこちら]