林:「カメ止め」のヒットで、あのあとテレビ局のディレクターとかいろんな人の対応も変わったんじゃないですか。

上田:ああ、それは変わりましたね。それまでは「自主映画をつくってる一介の監督」みたいな感じで、映画祭とかで会っても、けっこう邪険に扱われることがあったんですけど、「カメ止め」後は、「やあ、久しぶりですねえ」みたいな(笑)。

林:「久しぶり、上ちゃ~ん」みたいな?(笑)

上田:そうそう。やっぱりそうか、と思いましたね。

(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)

上田慎一郎(うえだ・しんいちろう)/1984年、滋賀県生まれ。中学生から自主映画を撮り始め、高校卒業後も映画を独学。2009年、映画制作団体を結成、代表を務める。18年、劇場用長編映画デビュー作「カメラを止めるな!」は興行収入31億円を突破、国内外の映画賞を多数受賞した。その後も「イソップの思うツボ」(19年、共同監督)、「スペシャルアクターズ」(19年)、「100日間生きたワニ」(21年、共同監督)など、話題作を監督。1月14日から、脚本・監督を務める映画「ポプラン」が、全国ロードショー。

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週刊朝日  2022年1月21日号より抜粋