
役づくりに生かそうと撮影前に新聞社を訪れた際は、記者の一人から「眼差しが新聞記者のようですね」と言われたという。
実際に彼女を前にすると、その鋭い眼差しに吸い込まれそうになる。けれど、質問には相槌を打ち、よく笑い、つい話し込んでしまいたくなる包容力がある。

「新聞記者」の現場では、スタッフを含めてもほぼ最年長で、「自分はどんなふうに見られているのだろう」と思うこともあった。年下の共演者が増えたことで、現場での立ち居振る舞いは変わったのか。そう尋ねると、
「もう、まったく(笑)。まったくと言っていいほど、変わらないですね」
潔くも、柔らかで温かい言葉が返ってきた。(ライター・古谷ゆう子)
※AERA 2022年1月24日号