「うちは同い年なんですが、60代に入ってからはほとんどセックスをしていません。あるとき何かの話から、『今後のことはわからないけど、今はしなくてもいいね』となりました。そうしたらなんとなくすっきりして。それからはふたりでよく散歩に行ったり、映画を見に行ったり、一緒に出かけることが増えました」
そう話すのはヒデユキさん(66)。夫婦ともまだ仕事をしており、帰りに待ち合わせておしゃれなバーで一杯やることもあるという。
「今はいちばんの親友みたいな感じ。話していて飽きない。僕たち『夫婦っぽくない』とよく言われるんですが、それはお互いに相手を認めながら、適度な距離を保っているからかもしれません。外で待ち合わせると、妻は大人の素敵な女性だなと思います」
夫婦で残りの人生をどう豊かに歩んでいくか。そのためにセックスが必要かどうか。その距離感も含めて関係性を今こそ話し合い、すれ違いのまま人生を終えないようにしたいものだ。
※週刊朝日 2022年1月21日号