内野手では2019年ドラフト1位の森敬斗(DeNA)が昨年一軍でも度々矢のようなスローイングを見せて話題となったが、同じセ・リーグのショートでは矢野雅哉(広島)も注目の一人だ。育英高校では9番打者だったものの、高い守備力が評価されて亜細亜大では1年春からリーグ戦に出場。3年秋には首位打者にも輝き、2020年のドラフト6位で広島に入団している。ルーキーイヤーの昨年は二軍でも11失策とプロのレベルに少し苦しんだが、難しい体勢からも強いボールを投げられるスローイングはプロでもトップクラスだ。チームのショートは小園海斗が成長しているが、まだまだ守備には不安があるだけに、その強肩ぶりをアピールして今年は一軍定着を目指したい。

 同じ二遊間の選手では宜保翔(オリックス)の守備も必見だ。高校時代は投手としても140キロ以上のスピードを誇っていただけあって、三遊間や二遊間の深い位置からも低くて速いボールを投げ込む。高い運動能力で打球に対する判断が良く、守備範囲の広さでも目立つ存在だ。昨年は一軍で守備についたのは28試合だったが、失策0と堅実さも順調にアップしている。二塁はベテランの安達了一、同学年でドラフト1位入団の太田椋、新外国人のバレラとライバルは多いが、その高い守備力を生かしてレギュラー争いに加わりたい。

 外野手でにわかに注目を集めているのが谷川原健太(ソフトバンク)だ。捕手として2015年のドラフト3位で入団したが、ユーティリティプレーヤーとして成長。6年目の昨シーズンに外野手として一軍デビューを果たすと、少ない出場機会の中で2つの補殺を記録するなどその強肩ぶりをアピールしている。低い軌道で重力を無視したかのようなボールの軌道はかつてイチローの代名詞だった「レーザービーム」という表現がピッタリ当てはまるものであり、コントロールの良さも光る。打撃の確実性には課題が残るものの、今年も外野のバックアップ要員として貴重な戦力になりそうだ。

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ビッグボスの日本ハムにも強肩外野手