ターゲット層を男性に絞らなかったことが良い点で、自分の得意なことをコンテンツにしているため、内容が充実しています。料理や家事についてのチャンネルを伸ばすと、レシピ本や料理グッズのプロデュースや広告に起用されたりする可能性もあり、非常に良い運営の仕方だと思います。テリー伊藤さんの「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」は、登録者数12.7万人のチャンネルです。興味深いのは、ほとんど車について特集していることです。車についての動画は再生回数に大きなブレがなく、手堅い再生回数を獲得しています。これらはほんの一例ですが、芸能人や有名人の方でYouTubeで成功するポイントは、本人の強みを生かしている点です。

 芸能で活躍するためには、トークや容姿が重要ですが、YouTubeでは企画もとても大切です。渡辺美奈代さんは「料理」、テリー伊藤さんは「車」と、視聴者と「共通の話題」がある状態でチャンネルを運営しています。芸能人の方で多いのが、「素の自分を見てもらいたい」と、さまざまな企画をざっくばらんに行うことです。動画の内容にまとまりがないため、チャンネルの軸となるコンセプトが定まっていません。ゲーム、アニメ、料理、スポーツ、美容、ファッション、暴露話など、「これをメインでやっている」と呼べるようなものがあると、チャンネルに個性ができて、伸びやすくなります。

 芸能人や有名人という枠にとらわれず、一人の人として、自分は何が得意か、何について詳しいかを考えると、コンセプトが見えてきます。この点は、素人や一般人の方がチャンネルを始める時と同じ思考回路で「このテーマなら、動画100本は作れる」と思えることをまず、自分の中に見いだすことが重要です。

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