ベアトリクス女王(左)とアレキサンダー皇太子(右)ご一家の案内で王室馬車庫を見学する皇太子ご一家。愛子さまは4歳、カタリーナ・アマリア王女は2歳(称号は当時)
ベアトリクス女王(左)とアレキサンダー皇太子(右)ご一家の案内で王室馬車庫を見学する皇太子ご一家。愛子さまは4歳、カタリーナ・アマリア王女は2歳(称号は当時)

 昨年の眞子さん結婚までの騒動は「異例」で、それ以外は、日本のプリンセスたちのリアルは見えてこない。

「日本の皇室はどうかというと、皇室と国民との距離はものすごい離れていますよね。むしろ、皇室の方たちが何をやっているか全くわからない。国民との距離感は、ヨーロッパの王室と日本の皇室の大きな違いの1つですね」(君塚教授)

 カタリーナ・アマリア王女は自伝でメンタルヘルス専門医の受診も告白している。幼い事から児童精神科医を受診し、カタリーナ・アマリア王女は現在も、定期的にセラピストと面談しているという。カタリーナ・アマリア王女は自伝で「タブーだとは思っていない。公言しても問題ない」とし、「必要だと感じたら予約を入れる。ただ感情を発散させて、そうすればまた1カ月頑張れる」と。これに対して、君塚教授は日本に比べて公務への重圧を指摘する。

「メンタルヘルスのカウンセリングも自伝で告白していましたが、公務とはそれだけ大変な仕事なんですよ。例えば、スウェーデンのビクトリア皇太子は1979年に王位継承法が改正になって、本当は弟が継ぐはずだったけれども、自分に皇位継承が回ってきた。当時、彼女はまだ、2~3歳の女の子で、王女になることが理解できなかったけど、20歳過ぎてだんだん皇太子としての重圧を感じ、拒食症になってしまった」

 また、カタリーナ・アマリア王女は自伝が出る半年前の昨年6月、マルク・ルッテ首相に書簡を出し、オランダで成人にあたる18歳になると王女に支給される年額160万ユーロ(約2億1000万円)の手当は不要と断った。

「2021年12月7日に私は18歳になり、法律上は手当が支給されることになります。ですがとりわけこのコロナ禍で他の学生が大変な思いをしている時に、なにもしていないのに受け取ることは気が引けます」

 と書簡にはあったそうだ。これに関して、君塚教授は「もっともな話」と、こう説明する。

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眞子さんが辞退した一時金とは大違い