記者が都内のマックで購入したマックフライポテトS2つ(撮影/上田耕司)
記者が都内のマックで購入したマックフライポテトS2つ(撮影/上田耕司)

 どうしようかと迷ったが、Sサイズ2個を買って帰った。本来のMサイズを買うよりも20円高くついただけなのだが、損をした気分になるのは不思議だ。

■日本マクドナルドに聞いてみると…

 ポテトが食べたければ、Sサイズをたくさん購入すればいいことになる。なぜ、販売制限を設けていないのか。その点を日本マクドナルドにたずねると、

「お持ち帰りやデリバリーなどで、ご家族分やご友人分も購入される方もいらっしゃると思いますので、購入制限というものは設けておりません」(日本マクドナルド広報部)

 という。販売休止の理由については、こう説明する。

「米国、カナダで生産、加工されたポテトを使用しておりますが、その加工されたポテトを乗せた船便が水害や悪天候が続いているバンクーバー経由であることから、継続的な船便の遅れが発生している状況です」(同前)

 カナダ・バンクーバーでは昨年11月、記録的な豪雨に見舞われ、港も被害を受け、船舶が海上で待機状態となった。同社によれば「この度の輸入遅延はじゃがいも不足によるものではございません」という。

「マクドナルドのフライドポテトは選び抜いた『ラセットバーバンク』などの大きな品種のジャガイモを丸ごとカットして作っています」(同前)

 農業ジャーナリストで近畿大学非常勤講師の松平尚也氏はこういう。

「フライポテトというのはマックを象徴するブランドです。グローバルに調達しているためになかなか変更もできないんですね。海外でのグローバル調達の弱点が出たと思います」

 今回の輸入遅延についてはこう指摘する。

「アメリカ、カナダの景気がすごくいいので、アジアへ運ぶコンテナの価格が暴騰し、北米とアジアの航路はかなり値上がりしています。じゃがいもだけにはとどまらない影響が今後も出る可能性があります。昨年末、マックが販売再開した頃、飛行機を使って空輸するという話も出ていましたが、空輸便では、なかなか元が取れないのではないでしょうか」(松平氏)

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なぜマックは北米産にこだわるのか