森永卓郎 (撮影/写真部・高橋奈緒)
森永卓郎 (撮影/写真部・高橋奈緒)
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 昨年末、ラジオ番組で初めて会った経済アナリストの森永卓郎さんと作家・林真理子さん。その出会いがきっかけで、対談が実現しました! 畑を借り、半自給自足の生活を送っている森永さん。その理由とは?

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森永:(大根の葉がのぞく紙の手提げ袋を渡しながら)これ、林さんに持ってきました。

林:あ、おうちの畑でつくった野菜ですね。うれしいです!

森永:大根とカブとサトイモが入ってます。これをぶら下げて所沢(埼玉県)から電車に乗ってきました(笑)。

林:どうもありがとうございます! 森永さんは、これからは地方とのコミュニケーションが大事になるから、東京一極集中はやめるべき、と前からずっと提言なさってましたが、コロナ禍でそれがすごいスピードで進んでいますね。

森永:まだ正式な統計が出ていませんが、99.99%の確率で、昨年、東京の人口は減ったんです。四半世紀ぶりの事態で、これからはどんどん減っていくと思います。

林:ほんとですか。

森永:しかも、東京から千葉、神奈川、埼玉の3県に人口が流出して、それから地方へ広がっていくだろうと思っていたら、昨年、千葉、神奈川、埼玉も99%の確率で人口が減少しているんです。コロナ禍をきっかけに、首都圏一極集中はガラッと流れを変えたんだと思います。荒川決壊や首都直下地震が起きると、これがとんでもないスピードで進むでしょう。

林:首都直下地震、そんなにすぐ起こるんでしょうか。地震予知って難しいですよね。

森永:ええ、しかしこの数年以内に首都直下地震が起こる可能性が高いとしている専門家も、けっこういるんですよ。

林:所沢にお住まいなのも、それが理由のひとつですか。

森永:いえ、所沢に越したのは30年くらい前で、カミさんの実家の近くに家を建てたんです。ただ、縄文時代の地図を見ると、いまの都心は海の底で、陸は武蔵野台地や大宮台地あたりからだったんです。私の場合、家を買ったのがたまたま、地盤が強いエリアだったんです。とはいえ、仕事の忙しさがピークだった時期は、移動時間節約のため、平日都民でした。

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