※写真はイメージです(写真/Getty Images)
※写真はイメージです(写真/Getty Images)

 中高生の場合、「話しやすい相談相手」となると、友だちやSNS で知り合った人などでしょうか。

 一方で、健康問題というのは専門性の高いものなので、まずは友だちに話して気持ちを楽にしつつ、できれば専門家につながると安心です。必ずしも医療機関である必要はなく、最近は心の問題についても公的な相談センターや自殺予防の相談窓口もありますから、そうしたサービスを広く活用してください。残念ながら怪しげなものもあるので、複数のところで相談してみるのも良いかもしれません。

イラスト/タナカ基地 『心の病気にかかる子どもたち』(朝日新聞出版)より
イラスト/タナカ基地 『心の病気にかかる子どもたち』(朝日新聞出版)より

Q 「友だちの様子がおかしい」「病気ではないか」と感じたとき、どうすればいいですか?

A まずは友だちの話を聞くこと。聞き上手になってあげましょう。安心して話せる雰囲気作りをして、どんなことで困っていて何を苦痛に感じているのか、じっくりと耳を傾けてください。ただ、それが心の病気かどうかはなかなか判断ができませんから、「かかりつけのお医者さんに行ってみたらどうだろう」「保健室の先生に聞いてみない?」などと専門家へ相談するようアドバイスしてみてもいいかもしれません。

 あるいは「抱えきれないなら親にもちょっと言っておくといいんじゃないかな」と話してみましょう。自分自身がその状況(=当事者)になったら親には絶対言わない、言いたくなかったとしても、少し引いた立場であれば「これは親に言ったほうがいい」と判断できることもありますよね。友だちのためを考えていい方法だと思うなら、友だちの背中を押してあげてほしい。その友だちも「どこの家でも家族に話すものなんだな」と思えて、一歩踏み出せるのではないでしょうか。

※『心の病気にかかる子どもたち』(朝日新聞出版)より抜粋

水野雅文(みずのまさふみ)

東京都立松沢病院院長 1961年東京都生まれ。精神科医、博士(医学)。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院博士課程修了。イタリア政府国費留学生としてイタリア国立パドヴァ大学留学、同大学心理学科客員教授、慶應義塾大学医学部精神神経科専任講師、助教授を経て、2006年から21年3月まで、東邦大学医学部精神神経医学講座主任教授。21年4月から現職。著書に『心の病、初めが肝心』(朝日新聞出版)、『ササッとわかる「統合失調症」(講談社)ほか。

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