1960年代。特撮作品に熱中した少年たちの中には、素朴な疑問を抱いた者もいた。
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(1)どうして怪獣は日本にだけやって来るんだろう?
(2)怪獣たちは日本で何を食べているんだろう? 腹がへらないのかな。
(3)死んだ怪獣はどうなるの? 最終的には怪獣墓場で眠るし、科学特捜隊は供養までしてくれたけど、火葬はされていないはず。
それから半世紀以上経っても(1)と(2)はようとして知れないが、(3)には進展があった!?
2月4日公開の映画「大怪獣のあとしまつ」は、巨大怪獣が死んだ後の物語だ。脚本も担当した三木聡監督は、61年生まれ。まさに怪獣ブームの中で少年時代を過ごした。2008年に「死んだあとの怪獣を片づける映画をやりたい」と語っており、その夢が十数年かけて実現したわけだ。
公開に先駆けて行われたウルトラプレミアイベントでは、出演者に「もし、本当に大怪獣の死体が現れたら?」という質問が。濱田岳は「上野に飾る」と回答。一方、山田涼介は「日本全国から人を集めて怪獣で焼き肉! 食べる! みんなで集合してこの部位おいしいねなんて。おいしかったらですけど(笑)」と答え、それを受けるかたちで西田敏行は怪獣の部位を描いたフリップを出し「背中のトゲトゲは軟骨なんです。おいしく柔らかく煮込んでいただいて(笑)。何人分の食料ができるのか楽しみです」。
博物館に飾られるのか、まさかの人の胃袋行きか。それとも? 答えは映画館で。(文/本誌・菊地武顕)
※週刊朝日 2022年2月11日号