――棘以外のキャラクターで印象的なシーンがあれば教えてください。
同じ学年のメンバーで言うと、パンダもアクションシーンがとてもかっこよかったのですが、真希の存在感が強かった。いろんな人が乙骨に影響を与えていくストーリーだと思いますが、真希が喝を入れるシーンが妙に印象的で。映画を観て改めて、禪院(ぜんいん)真希は魅力的なキャラクターだなと思いましたね。
――『呪術廻戦』はTVシリーズ、劇場版とともに異例の大ヒットを続けています。内山さんから見て『呪術廻戦』の魅力はどんなところにあると思いますか。
常に謎があるところだと思います。例えばコミックスの「0巻」を読むだけでは、夏油 傑(げとう・すぐる)と五条 悟(ごじょう・さとる)の過去に何があったのか詳しくはわからない。その後を描くTVシリーズでも、夏油と五条の間に何があったのかわからないまま、ストーリーが展開されていきます。
また、TVシリーズの内容だけでは乙骨についてよくわからない。その乙骨が、劇場版で大フィーチャーされて登場します。そしてその彼に喝を入れる真希さんは、禪院家にまつわる何かを抱えているらしいけれど、「禪院家とはいったい何なの?」「過去に何があったの?」という謎は、原作の先を読まなければわからない。
連載漫画ならではの部分かもしれませんが、そうやって常に何かが秘められていて、その場のシーンの奥に垣間見える「ほの暗い隠し要素」があるところに心をくすぐられるんだろうなと思いました。世界観の全容が計り知れない感じにワクワクします。
――最後に一つだけ聞きたいことが。内山さんが一つだけ呪言を使えるとしたら、どんなシチュエーションでどんな言葉を発してみたいですか。
うーん、そうだな。僕は普段、仕事以外の場面で能率よく動けないんです。家で過ごしていると、計画的にいかないことがよくあって。なので、家でダラダラしている自分に対して、「締め切りを守れ!」「規則正しく生きろ!」という言葉をかけたいですね(笑)。
(構成/AERA dot.編集部・飯塚大和)
【後編】『呪術廻戦』出演・内山昂輝 デビュー29年で思う「子役から声優になった今の自分」 に続く