
林:でも久本さん、ふつうの女優さんとしても十分いけたんじゃないですか。
久本:いけないですよォ~。
林:「ミヤコ蝶々ものがたり」(2007年)で蝶々さんの役をおやりになったし、やれそうなもの、いろいろありますよね。森光子さんの「おもろい女」なんかも、ぜひやっていただきたいですけど。
久本:(藤山)直美さんがやってらっしゃいますからね。太刀打ちできないですよ。
林:このあいだ、NHKの「サラメシ」に「ワハハ本舗」の稽古場が出てきましたけど、まかないが一食300円というのも驚きだったし、看板女優の久本さんとか柴田さんが、若い人たちとふつうに一緒に食べているので、ちょっと感動しちゃいました。
久本:いやいや、私も柴田さんも、舞台終了後はそれぞれ、自分の役割の作業をしてますからね。私はハンガー係で楽屋のハンガーを集めてるし、柴田さんはカゴ係でカゴを集めてるし、ただの劇団員なんですよ、私たちは。
林:でも、舞台が終わったあとは、座員たちを連れてごちそうすることもあるんでしょう?
久本:コロナ禍の前は、絶対ごはんに行ってましたよ。グループに分けて、きょうはこの子、きょうはこの子ってまんべんなく呼んで。だからお金がたまらないんだけど、私もおいしいものを食べて息抜きになるし、元気になるし、かわいい後輩たちと一緒に行くのは、ぜんぜんイヤじゃないです。最近は、ぜんぜん行けていませんけどね。
林:素晴らしいです、それって。
久本:うちはほんとに仲がいいんですよ。聞くと、ほかの劇団は終わると気の合った人たちだけでちょっと行ったり、まったく行かないで三々五々だったりするみたいですけどね。
林:私も「ワハハ本舗」の舞台を拝見したことがありますけど、最後、踊ったりするじゃないですか。そのために体形もキープしておかなきゃいけないんですよね。
久本:普段からそんなに気にしているわけじゃないですけど、うちの劇団は最低3曲ぐらいは踊るので、私もパーソナルトレーナーについてトレーニングしてます。私もトシなんで、ケガしない体をつくらなきゃいけないと思って、真理子さんと同じトレーナーさんのところに行ってるんです。