林:いいじゃないですか!

久本:だけど、それで1階に住んでいる劇団員が次々と結婚していったら、結局自分一人になっちゃうな、どうしたらいいんだろうと思って。彼らの幸せも考えなきゃいけないしね。老後のこと、マジで考えなきゃいけない。もう63(歳)だから。

林:えっ、63? まだ50代だと思ってた。

久本:今年64ですよ。真理子さん、おいくつでしたっけ。

林:67です。老後ってまだ先だと思ったら、「もう老後じゃん」って人に言われて、ちょっとショックを受けましたよ。

久本:いやいや、私、もう完全に老後だと思ってますよ。ちょっと転んで骨折でもしたら、大変なことになるっていう年齢じゃないですか。

林:女優さんの老後ってどうするんだろう。石井ふく子さん(プロデューサー)は、京マチ子さんと若尾文子さんと同じマンションに住んでるんですって。京マチ子さんは亡くなられたけど、ナントカの郷みたいに。

久本:「やすらぎの郷」? でも、どうなんだろう。よっぽど仲のいい人だったらいいけど、そうでもなかったら、ちょっと気をつかいますよね。

林:私、このあいだ石井先生が演出なさった新派の朗読劇を見に行ったんです。そのとき私にある脚本家を紹介してくださいっておっしゃったんですよ。今度テレビのお仕事、一緒にしたいからって。それってすごくないですか。

久本:すごすぎる! 生涯現役! もう九十いくつでしょう?

林:95ぐらいかな。

久本:わっ! こんな言い方あれだけど、まだやる気なんだ。すごい挑戦というか、そのパワーは素晴らしいですね。パワフルだァ~! パワフルすぎる。私、また目標が出てきたな。だけど、真理子さんだって若いよ。若い、若い。

林:うれしいです。

久本:真理子さん、またイケメンとの食事会やりましょうよ。いま、あるイケメンに声をかけてますから。

林:まあ!

久本:コロナが終わったあとよ。要するに私たちはイケメンとごはんを食べて、心にヒアルロン酸とコラーゲンを注入するだけのことですからね。誰にも害はないです。

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