3連覇を狙う羽生結弦選手の今シーズンの演技
3連覇を狙う羽生結弦選手の今シーズンの演技

「もうお炊き上げしましたが、羽生選手が書いた絵馬もありました。ファンからお守りを受け取っていて、それが気になってか、関西で試合がある時にお立ち寄り下さったようです」

 北京五輪に向けて祈願するファンの中には、くまのプーさんを持ってきたり、絵馬に羽生選手の写真を貼ったりして願いを込めて奉納する人がいたという。

 晴明(せいめい)神社(京都府京都市)も、陰陽師の安倍晴明公を祀る神社としてファンが祈りささげる聖地の一つ。野村萬斎演じる安倍晴明の映画『陰陽師』をモチーフにしたとされる羽生選手のフリーの『SEIMEI』とゆかりのある神社だ。2015年のグランプリファイナルで初披露し、平昌五輪で金メダルを獲得した名プログラムで、「史上最も偉大なフリー」と称された。

 2015年に羽生選手は『SEIMEI』を演じるにあたって、晴明神社を参拝していた。当時の様子を山口琢也宮司はこう話す。

「普通にお参りというよりも、安倍晴明公に対して、演じてもよろしいかと、お許しを請いに来たような様子でした。スケートばっかりされているから、そんなことはあまりご存知ないのかと、ちょっと失礼ながら思っていたんですけども、歴史的な背景を十分に把握されていらっしゃいました。当時20歳でお若いのに真摯に向き合っておられたのが印象的で、これは活躍もむべなるかなと思っていました」

 平昌五輪で金を獲得した後には、羽生選手の親戚がお礼参りにやってきたという。

「羽生選手の代理でお礼にお参りに来られていました。金メダルをあしらったチョコレートを頂きまして、大事に残しておこうかとも思ったんですけど、あまりに美味しそうだったので直ぐに食べてしまいました(笑)」(山口宮司)

3連覇を狙う羽生結弦選手の今シーズンの演技
3連覇を狙う羽生結弦選手の今シーズンの演技

 ファンと羽生選手をつなげる神社。応援するファンの祈りが届いていることだろう。(AERA dot.編集部 岩下明日香)

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