一方、YouTuberはどうでしょうか。YouTuberは、誰でもなれます。手に持っているスマホやPCで、アカウントを作り、チャンネルを作成したその瞬間から、YouTuberになれるのです(公式の正確な定義は、動画を1本でも投稿したら、YouTuberと名乗ることができます)。YouTuberになるのに、オーディションも競争もありません。競争に参加するのは、YouTuberになってからです。「誰でもなれる」YouTuberを、「選ばれた人しか登場できない」芸能人が内心下に見ていたとしても、納得ができる部分もあります。

 そして、YouTuberは視聴者との距離が近い存在です。いろんな意味で距離が近いのです。ルックスも芸能人ほどの美男美女やモデル級の体形ではなく、学校にいそうなルックスで友達や憧れの先輩のようなポジションの方が、メークや服装が参考になります。トークも芸人ほど面白いわけでなはくても、「クラスの面白い子」レベルでも人気になれます。視聴者と距離感の近い存在であるからこそ、どうしても芸能関係者にとっては「素人」と思われる部分も多々あります。

 インフルエンサーが芸能関係者に下に見られた時に思うことは「私たちの方が稼いでいる」です。冒頭のヒカルさんも動画で語っていましたが、芸能人の収入は、YouTuberやインスタグラマーなどのインフルエンサーの収入よりも少ないことが多いのです。この点において、お互いに下に見るという事態が発生します。芸能人は多くの競争の中で選ばれた人であり、テレビに出ていることは、いわばトロフィーです。人気YouTuberも素人の中から勝ち上がっており、稼ぐ金額も芸能人よりも多いのですが、トロフィーとまではいきません。

 例えインスタグラムで人気になっても、雑誌に登場しないと「モデル」という「称号」が得られないのと同様で、YouTubeで人気になっても、女優や俳優やモデルや芸人とは異なる、インフルエンサーという枠からは出られないのです。芸能関係者は「称号」、YouTuberは「収入」という異なる観点からお互いにマウントをとっている状態とも言えます。この関係が変化するかは、若い世代の価値観にもよりますが、YouTuberと芸能人が異なる存在であることには変わりありません。YouTuberも芸能人も、それぞれ異なる存在で、それぞれにすごいのは事実です。

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なーちゃん

なーちゃん

なーちゃん/二児のママ兼YouTuber。2014年にチャンネルを開設。長男・こうちゃんと出演する動画は子どもから親まで幅広い層から人気を集め、”ファミリー系YouTuber”としてカリスマ的存在に。登録者数209万人、総再生回数13億回(2019年10月時点)を誇る。

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