また、自身の知名度向上についても、「僕を知らないアジア人はたくさんいると思います。うまくいけば、『MLB The Show 22』の表紙を飾ることで、僕のことを知らない人たちにも名前を知ってもらうことができると思います」とも話している。

 大谷は『GQ』の独占インタビュー(1月12日掲載)で、「(野球が)アメリカで一番人気のあるスポーツになってほしい」と話していたが、『ESPN』の記事でも自身の夢を明かした。

 今回のカバー起用発表はゲームメディアからも注目を集めている。しかも、今回はゲームそのものに大きな変化が見られ、それが現地でも話題になっている。

 これまで『MLB The Show』は、「プレイステーション」シリーズのみでしかプレーすることができなかった。それも、この『MLB The Show』シリーズは、「プレイステーション」で知られるソニー・インタラクティブエンタテインメント社傘下のサンディエゴ・スタジオ社が開発してるからだ。

 しかし、同ゲームは前作から「XBOXシリーズ」(マイクロソフト)向けにも販売され、今回からは「Nintendo Switch」(任天堂)向けにも販売されることが決まった。ソフトだけではなく、ゲーム機(ハード)も開発している会社が、ライバル社のゲーム機に向けてもソフトを販売するというのは、ゲーム業界においては異例だ。米のゲームメディア『ポリゴン』や、電化製品やガジェットの情報メディア『エンガジェット』も、このことを取り上げている。

 ありとあらゆるメディアが注目した、今回の大谷の『MLB The Show 22』のカバー起用発表。新労使協定の交渉が進まず、春季キャンプも始まらないアメリカの野球界に、久しぶりとなる明るい話題を提供した。そして、大谷はまたも中心人物となった。しかも、数々の異例な出来事をひっさげて。大谷は、本当にアメリカでの野球人気復活を目指す夢を叶えられるかもしれない。2022年も大谷のショータイムから目が離せない。(在米ジャーナリスト・澤良憲/YOSHINORI SAWA)

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