しかし、これが歴史的快挙であることに変わりはない。MLBやエンゼルスも、それぞれの公式SNSでこのことを大々的に発信している。しかも、今だとこれは超異例のことだ。というのも、現役MLB選手の肖像権は選手会が管理しており、新労使協定が合意されていない今は、MLBや各球団は、彼らの写真や名前を出すことができないからだ。もっとも、ゲームの契約に関しては異なるため、MLBでも今回のような発表が出来できたというわけだ。

 さらに、このニュースは数多くのメディアで取り上げられた。前出の『FOXスポーツ』や『MLB.com』、大手では『CBSスポーツ』や『MSN』、『ロイター』、スポーツメディアでは、『ブリーチャー・レポート』や『ドラフト・キング』など数々メディアが、このことを報じている。

 そして、大手スポーツメディアの『ESPN』は、この発表だけでなくさらに詳しい内容を綴った記事を掲載した。同記事は、まず、「大谷は、4大スポーツをはじめとするアメリカの(スポーツ)ゲームのカバーに起用された最初のアジア人アスリートとなった。また、『MLB The Show 22』のカバーに登場した初めてのエンゼルスの選手となった」と伝え、大谷の本人のコメントも紹介している。

 「僕は(カバーに起用される)その可能性と、それが実際に実現したことに興奮しています。このゲームには長い歴史があります。ここ(アメリカ)で発売されている唯一の野球ゲームの一つなので、もっと良いプレーをして、期待に応えたいと思うようになりました」

 さらに、同記事はゲームを通じて、大谷が新たなファンの獲得に期待していることを綴っていた。大谷は『ESPN』の取材で次のように話している。

 「ファンのタイプはいくつかあります。ゲームで遊ぶのは好きだけど、実際の試合を観戦しないファンもいると思います。逆に、試合は観戦するけどゲームをしない人もいます。僕は(野球の)人気を取り戻したく、試合を観戦している人の模範になるように努めています。ソニーとサンディエゴ・スタジオは、違う方法(ゲームという形)で野球を人気にしようとしています。これは人気を取り戻すために良い組み合わせだと思います」

暮らしとモノ班 for promotion
「集中できる環境」整っていますか?子どもの勉強、テレワークにも役立つ環境づくりのコツ
次のページ