テストステロンの重要性や増やし方についてはおわかりいただけただろうか。次に、朝勃ちに関連し、勃起不全(ED)についても対処法など触れておきたい。
まず、EDの具体的な症状としては次のようなことが挙げられる。
・性欲や興奮はあっても、なかなか勃起しない
・最初は勃起するけれど持続できない
・自慰行為では問題なく勃起するがセックスだとなえてしまう
・挿入できても途中でなえてしまう
・勃起はしているのに明らかに硬さが不十分
浜松町第一クリニックの2019年の調査によれば、40代の中等度型ED、完全EDは2割弱なのに、50代になると3割以上、60代では4割以上になる。竹越昭彦院長は「EDの要因は、大きく分けて四つ」と話す。
(1)器質性 神経の障害や、動脈硬化の進行など
(2)心因性 ストレスやプレッシャー、うつ病など
(3)薬剤性 薬の副作用
(4)複合型 原因が特定できない、あるいは前記三つの複合型
50代以上の男性であれば、どれもが当てはまる可能性は高い。そしてEDは男性の尊厳に関わる。実際、「妻とできなくなってしまった」と嘆き、日常生活に張りも活力もなくなってしまった男性が、EDが治ったとたん、生き生きとして仕事にも精力的に取り組むようになった話はよく耳にする。竹越院長が話す。
「力がつくものは年齢を重ねると衰えます。勃起力、運動能力、基礎体力、免疫力。生物としてやむをえないことです。ただ、50代以上の男性を見ていると、加齢にともなって友だちも減って内にこもるタイプと、加齢を気にせず、生活を楽しみながらパワーアップするタイプに二極化していくような気がしますね」
ではEDにはどんな対処法があるのだろうか。ホルモン補充療法もその一つだが、竹越院長はバイアグラやシアリスなどの薬を推奨する。ED治療薬は、併用禁忌薬を使用している人は服用できないが、多くの人が使えて手軽だ。ただし重度の糖尿病だと効果が得られにくい可能性がある。