JPがいちばん好きだと語る「左上の口角が少しあがる松本人志」(撮影/小黒冴夏)
JPがいちばん好きだと語る「左上の口角が少しあがる松本人志」(撮影/小黒冴夏)

松本人志と美川憲一の声は同じ

――松本さんは動きなどに派手な特徴はない印象です。モノマネをやるには相当苦労したのではないですか?

 正直思った以上に難しかったです。最初は、松本さんが「フフ」って笑う「含み笑い」しかできませんでしたから。なので、まずは「ごっつええ感じ」に登場するキャラクターをやってみようと。そのほうが特徴もあるのでモノマネしやすいんです。それができるようになったら、そこからの逆算方式で"素"の松本さんもできるようになるだろうと考えました。モノマネって隙間産業。誰もやっていないことをやらないと売れない。逆にいえば、それを発見できれば売れるチャンスがあるんです。ちなみに、松本さんのモノマネは、鏡をみながら練習するとか、スマホに声を吹き込むとかはまったくしていません。とにかく実践あるのみ。とにかく舞台に立ち続けました。原口さんがモノマネする「さんまさん」のような"奥行き"のあるモノマネを目指さなければ売れない。そんな思いでした。だから、100回の練習よりも1回の実践です。

――松本さんと交流はあるのでしょうか?

 それがほぼないんです(笑)。初めてテレビで共演させてもらったのが、8年前の「ダウンタウンDX」でしたが、その時はタイミングがなく、挨拶すらもちゃんとできませんでした。その後も「ワイドナショー」や「ラフ&ミュージック」(フジテレビ系)に再現VTRみたいなかたちで出演しましたが特に絡むことはありませんでした。そんな数少ない共演の中で、最も印象に残っているのは2年ほど前に出演した「タウンワーク」のCMです。松本さん扮する「バイトの神様」の偽物役で共演させていただいたんですが、これもとにかく緊張しまして…。「とにかく失礼がないように」とそれだけ心がけてのぞんだのを覚えています。でも、本番中にすごく嬉しいことがありました。松本さんが「サプリやなくてアプリや!」っていうセリフを「アプリやなくてサプリや!」って間違えた時があったんです。「これ間違うわー」って松本さんがおっしゃっていたんですが、そのすぐ後に、今度は僕が同じ間違いをしてしまって…(笑)。その時に「な?これ、間違うやんな!」って松本さんが僕に話しかけてくださったんです!これは、めちゃくちゃ嬉しかったですね!僕からしたら「バイトの神様」なんかじゃないですから(笑)。あの瞬間は忘れられません。

次のページ