それでも鈴木に人気が集まるのは、このオフにFAとなっている外野手が少ないことと、今季から両リーグで指名打者制が導入されることから、ナ・リーグにも打撃力のある選手が必要となるのがその理由だ。となれば、鈴木獲得に最も力を入れるのは以前から噂されているジャイアンツ、あるいはパドレスといったナ・リーグの球団が有力だろうか。しかし現地では、レッドソックスが最有力候補であるとも言われている。どの球団が鈴木にとって理想の移籍先になるのかは非常に気になるところではあるが、同記事には次のような分析も掲載されている。

 記事では、全30球団に鈴木(外野手または指名打者として出場)を入れた場合、各球団の戦力がどれほど向上するのかを再び「ZiPS」を用いて予測。それによれば、鈴木の加入で最も恩恵を受けるのはフィリーズだろうという結果となった。今季のフィリーズは、プレーオフ進出の可能性が23.5%と予測されているが、同記事の調べでは鈴木が加入した場合39.0%になるされ、「鈴木がフィリーズに加われば、同球団はプレーオフ進出の可能性をさらに押し上げることができる」と結論付けられていた。

 次に数字が高かったのはブリュワーズであった。同球団はこれまで移籍先候補として挙げられておらず意外な結果となったが、鈴木を獲得すればプレーオフ進出の可能性も71.5%になるとされている。なお、鈴木が居ない場合は57.7%である。

 一方、最有力と目されるレッドソックスは8番目に位置している。同予測によれば、鈴木がレッドソックスに入った場合の同球団のプレーオフ進出の可能性は30.5%から40.1%になるという。しかし戦力向上の数字でいえば、大谷を擁するエンゼルスが10%で、レッドソックスの9.6%よりも若干高い。記事では「(大谷やマイク・トラウト)に次ぐ選手を探しているエンゼルスも興味はあるはずだ」と獲得に参戦する可能性も示唆されているが、同球団の課題は投手陣の再建である。また、エンゼルスのプレーオフ進出の可能性は、鈴木が加入しても34.7%となっている。しかし、もし鈴木が勝てる球団への移籍を望むのであれば、エンゼルスは選択肢から外れる可能性は高い。また、ジャイアンツやマリナーズも外れてしまうかもしれない。どちらの球団も、今季プレーオフに進出する可能性は決して高くは無い。ジャイアンツの場合は19.7%で鈴木が加わっても27.6%にしかならず、マリナーズも17.4%から23.8%にしかならないからだ。

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