ロシア軍のウクライナへの侵攻に抗議する日本在住のロシア出身者ら
ロシア軍のウクライナへの侵攻に抗議する日本在住のロシア出身者ら

「ドンバス地域の人たちは8年間怖い思いしています。普通のマンション、道路、バス、学校とかにバンバン攻撃を受けてきた。いつ、どこで爆撃を受けるかもわからない。対してウクライナのキエフの人びとは、普通に遊んだり、お酒を飲んだり、外国へ遊びに行ったりしていた」

 ドンバス地域では生活するのもままならないという。

「8年間、プーチンがこの地域の人びとを食べさせていたのです。食べ物を、ロシアからトラックで送っていたと聞いています。ウクライナからは全然ないんです」

 2018年、彼女は伯母に会おうと、ウクライナへ向かった。

「キエフまでは行けたんですが、私は帰化して日本のパスポートになっているので、ドンバス地域まで行けなかった。国境警備隊がいて、通行許可証がいるので」

 1カ月間キエフに滞在して、伯母とは電話でしゃべっただけで、日本に戻ってきた。伯母は病気で約40日前に亡くなったという。

「私はお父さんお母さんがいなくて、祖母と伯母さんに育ててもらったのです。お母さんがわりなので、いつも連絡していた。彼女の支えで私は生きてこれたんですよね。伯母は8年前に紛争が始まる前は、子どもの誕生日にも、私の誕生日にも、必ず誕生日にきれいなハガキを送ってきてくれていました。だけど、紛争が始まったら郵便も遮断されて来なくなったし、こちらからお金も送れなくなった」

 彼女は今回の侵攻については、「プーチンも8年間我慢して、本当に頭に来たからだ」と話す。だが、プーチンについては独裁者だと言って、こう続けた。

「ロシアは白のイメージですよね。冬眠した熊は起こされて、お腹が空いていて、コントロールできなくなっている。それが今の状況」

 その一方で、これまでのウクライナ政府のやり方には相当不満があるようだ。

「ドンバスでは毎日、ミサイルが飛んでいるんですよ。だから、今、ドネツクの人はこう言っている。『今、ウクライナの人は怖いんですか。私たちは8年間、ずっとそういう思いの生活でした。毎日,毎日、爆弾がどこに落ちるかわからなかった』」

 爆弾はウクライナの軍隊から発射されてきたという。

「ウクライナは、ドンバスは自分たちのテリトリーだからロシア人を追い出したいと言っている。だけど、8年間のうちに、爆弾で街は半分もない。3分の1だけ残っている。あとは石だらけ」

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はっきり言って経済制裁は怖くない