押しも押されもせぬお茶の間の大スター、笑福亭鶴瓶さん。脚本家・中園ミホさんのご協力で、作家・林真理子さんとの抱腹絶倒の鼎談が実現しました!
【笑福亭鶴瓶が持つ幻の「令和」 きっかけはファンのつながり】より続く
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鶴瓶:林さん、あの人、知ってはりますか。「キーヤン」いうて、樹木希林さんの家の襖に絵を描いた木村(英輝)さんという人。
林:存じ上げないです。
鶴瓶:内田(裕也)さんとも親友やった人で、京都市立芸大を出てロック音楽のプロデューサーやって、60歳から画家になった人なんです。「A-Studio」の関係で出会って、これがまたおもろい人で、めっちゃ仲よくなって、このあいだ「落語しにきてくれ」言われて京都まで行ったんです。それで落語が終わって楽屋に帰ったら、キーヤンの知り合いの派手な着物のおばちゃんと、ヒゲを生やした若い男が入ってきて、「落語を聴いて気分が悪くなった。霊がついていると思うから除霊させてください」と。
林:まあ。それで?
鶴瓶:そしたら着物のおばちゃんが僕の後ろに回って、両手を僕の肩に置いて、「カ~ッ! カ~ッ!」言うんです。「あっ、あっちに飛んだから!」言うて、今度は弟子に「カ~ッ! カ~ッ!」。
林:アハハハ。おかしい。その状況を思い浮かべただけで。
鶴瓶:樹木さんとのつながりやから、わろたら(笑ったら)あかんしね。あれは一体なんやったんやろ(笑)。ほんま、おもろいことに出会いますねん。
林:でも、こんな忙しい方が「落語しにきてくれ」と言われて行くって、それもすごいことですよ。
鶴瓶:「縁は努力」という思いがあるから、どないしてでもつき合おうと思うてるんですよ。
林:樹木希林さんで思い出しましたけど、樹木さんって、西宮の鶴瓶さんのおうちに突然行って、奥さんにおうちを見せてもらったんでしょう?
鶴瓶:それまで僕、樹木さんと一度も会うたことなかったんですよ。帰ったらうちのやつが「樹木希林さんが来られたよ」って。ピンポン鳴らして、「樹木希林ですけど」言うて、入って家の中ぐるっとひと回りして帰りはったって(笑)。