「すごくうれしいです。学生時代も含めて、自分の記憶上、サヨナラは本当にない。打球を見て、“あるかな”と思ったけど、(打ったあと)どこに向けて喜べばいいのか戸惑った」と感激しきりのヒーローに、辻発彦監督も外崎の実家がリンゴ農家であることにちなみ、「アップルパンチとまではいかない。アップルストレートくらい」とユーモラスな賛辞を贈っていた。
敬遠をめぐるドラマは枚挙にいとまがないが、“敬遠後のドラマ”もエピソードに事欠かない。(文・久保田龍雄)
●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2021」(野球文明叢書)。