■非常に難しいバランス
「課題もあります。例えば、ノルウェーの領土だけれどもどの国も経済的にフリーにアクセスできる『スピッツベルゲン』という島。ロシア人もたくさん住んでいますが、いまロシアに対する経済政策の一環として同島のロシア人には必要物資の供給が中止され、ロシアともめています。このような過度な人権侵害は、北欧の人権外交、平和外交といったこれまでの路線とは相当ずれてくる。今後、2国がNATOに加盟してどの程度『反ロ』でいくのかは問われてきます。すべてにおいて『NATO寄り』では、さまざまな面でロシアとの遺恨や自国の行動制限が存在しかねない。非常に難しいバランスが求められると思います」
(構成/編集部・小長光哲郎)
※AERA 2022年8月8日号より抜粋