テレビ番組にレギュラー出演をはじめ、音楽活動やブランドのプロデュースなどにも活動の幅を広げるお笑いコンビ「EXIT」の兼近大樹さん。昨年10月には初の小説『むき出し』を出版。新時代の才能に、作家・林真理子さんがエールを送りました。
【EXIT兼近大樹「芸人は小説家になるための手段」 それでも芥川賞に興味がない理由】より続く
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林:お友達はいるんですか。
兼近:います。芸能界には少ないですけど、芸人の友達はたくさんいます。
林:みんなでお酒飲んだり?
兼近:でも、俺、お酒飲めないんですよ。
林:えっ、お酒に弱い体質?
兼近:いや、どっちかっていうと、やめた感じですかね。
林:なんだ、やめたんだ(笑)。
兼近:12時には帰ってますね。シンデレラボーイとして(笑)。
林:買い物とか、物欲は?
兼近:僕、物欲まったくないんです。今年で31(歳)になるんですけど、いまだに何かが欲しいと感じたことがなくて。いただきものばっかりですね。
林:いま、何をしているときがいちばん楽しいんですか。
兼近:人前に立って笑わせるって、とんでもないアドレナリンが出るというか、興奮材料ですよね。今の自分にとっては、それがいちばん楽しいかもしれないですね。舞台に立って笑っていただいてるのが、自分が存在してる意義かなって感じますよね。
林:2作目は考えていますか?
兼近:ぜんぜん考えてなくて、どうしようかなって。芸人をやりながら書くってわりと大変だったので、まずお笑い芸人としての何かを残したいですね。そしてファンの方とかに「また書いてほしい」って言われたら、書くのかなと思っています。
林:でも、兼近さんがこういう本を書いてくれることによって、若い人が本屋に行ってくれるのはすごくいいことだと思うから、続けて2冊、3冊書いてほしいですよ。
兼近:僕自身も小説のおかげで芸人になって、自分ができていったので……。
林:昔はもっとコワい感じだったの? こうしてお目にかかると、すごくマイルドで礼儀正しくて、感じのいい青年だけど。