千葉工業大の授業の様子(大学提供)
千葉工業大の授業の様子(大学提供)

 2位は千葉工業大で前年比21%増の13万1688人。上位の常連校に比べると、やや聞き慣れない名かもしれない。千葉県習志野市にあり、今年、創立80周年を迎える私立の工業大学だ。

 好調の要因はユニークな試験制度にある。

 昨年は、成績判定に大学入学共通テストを利用する生徒の受験料を免除する取り組みで、受験者数を大きく伸ばした。

「さらに今年からは、一般入試にあたるA日程を出願した人なら、A日程の数学と共通テストの数学のみで受験料無料で全学部全学科を併願できる『SA日程』を始めました」(日下部聡・入試広報部長)

 地方会場の受験日を増やすなど、全国から広く優秀な学生を集める取り組みにも余念がない。日下部さんはこう続ける。

「本学では感染症に配慮した上でいち早く対面授業を再開し、特に地方からの学生を安心させる取り組みもしています。共通テストを利用する優秀な受験生が入学したり、地方からの学生の割合が増えたりするなど、昨年から始めた施策の成果を実感しています」

法政大
法政大

 3位の法政大は志願者が約1万7千人増えた。昨年比19%の大幅増だ。広報担当者は「早くから1回の入試で複数学部の受験が可能になるなど、志願者が学内で併願しやすい方式を導入してきた。近年では女子学生の数も増え、学生の多様化も進んでいる」と手応えを口にする。

 4位は明治大の10万2045人。上位4大学までが10万人以上の志願者を集めた。以下、5位東洋大(9万8096人)、6位早稲田大(9万3843人)と続く。早大は昨年より志願者数は増えたものの、昨年の5位から順位は落とした。

 志願者数が伸び悩んだ大学もある。

日本大
日本大

 7位の日本大は昨年比で8%減、7663人減った。昨年は田中英寿前理事長が脱税容疑で東京地検特捜部に逮捕されたり、元理事が背任罪で起訴されたりなどする事件が起きた。18年に起きたアメフト部の「悪質タックル」事件に続く不祥事で、それらのイメージをなかなか払拭(ふっしょく)できずにいる。

 広報課の担当者は「一連の不祥事に加え、今年は私大上位校を志願する傾向が高まったことから志願者を減らした。ただ、本学ではコロナ禍以前から学生をサポートする体制を充実させており、今後も地道に続けていくことで受験生や保護者の方々の信頼回復に努めたい」と話す。

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