
手術や治療で後悔しないためには、いい病院を選び、腕のいい医師にめぐり合うことが重要になる。そして「いい病院への近道」は、いい開業医にめぐり合うことだ。地域の病院の実力や現状をよく知る開業医は、紹介先の病院をどのように選んでいるのだろうか。外科医と開業医を兼務する医師に聞いた。好評発売中の週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2022』の創刊20年特別企画から、一部抜粋してお届けする。
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■医師と患者にも相性がある。しっくりくる医師を探そう
一般内科から整形外科まで、幅広く診療する大泉中央クリニック(東京都練馬区)の砂村眞琴医師。東北大学で消化器外科医として長年キャリアを積み、現在も東京医科大学八王子医療センターで消化器外科・移植外科兼任教授を務めている。大学病院の外科医と開業医、両方の視点を持つ稀有な存在だ。
そこで砂村医師に、いい病院へつないでくれるいい開業医、いいかかりつけ医の見つけ方を解説してもらった。
「ほとんどのクリニックでは、ホームページに理念や医師の考え方を書いているものです。まずはそこをチェックして、共感できるところを選んでみましょう。そして、実際に受診した際に、医師と話したときの印象や、しっくりくるかで判断するとよいでしょう。患者さん自身に興味を持って、話をじっくり聞いてくれる医師であることは基本です。そこをかかりつけ医にしている患者さんの評判を聞くのもいいと思います。もちろん人間同士なので相性もあります。合わなければ遠慮せず、次を探すべきでしょう」
ホームページには、所属学会や専門医資格なども書いてある。下図のチャートにもポイントをまとめたので、参考にしてほしい。

砂村医師は日頃の診療で次のようなことを心がけているという。こちらもクリニック選びのヒントになるだろう。
「生活習慣病、がん、フレイル(虚弱)などのリスクがある患者さんには、自覚症状がなくてもこちらから声掛けをして、状態をチェックし、経過を見ていいのか、さらに検査したほうがいいのか、すぐ治療をすべきなのかを判断しています。街の開業医はいろいろな病気を、総合的に幅広く診られることが大切だと考えます」