ソラコムの機器。いろんなものをIoT化できる(写真=写真部・松永卓也)
ソラコムの機器。いろんなものをIoT化できる(写真=写真部・松永卓也)

「うちの周りをグルグル回るんならいい。あんまり遠くへ飛んでいっちゃダメだよ」

 スイングバイは惑星の重力を使って宇宙船を加速させ、遠くの惑星を目指す航法だ。ソラコムをさらに高みに飛ばすため、高橋はKDDIの引力圏から少し離れることを容認した。

 今後の主戦場は世界になる。安川は米国、舩渡は英国に常駐し、顧客開拓や海外企業との資本提携も視野に入れて動く。開発チームにはオーストラリアやモーリシャスに住むスタッフもいる。日本で起きた問題が、朝になると米国で解決しているというような時差の効果もある。

「IoTは総合格闘技」と玉川は言う。利用企業は2万社に及び、用途も多岐にわたる。IoTで世界中のあらゆる業種、業界の困りごとを解決していくソラコムの仕事は、無限に広がっていく。(敬称略)(文/ジャーナリスト・大西康之)

AERA 2022年3月21日号より抜粋

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