中日・根尾昂は現在チームでどのような位置づけなのか……。
オープン戦では打率.304(23打数7安打)とまずまずの数字を残した。しかし開幕が間近に迫った今季はどういった起用をされるのか読めない部分も多い。中日のみならず球界のスター候補として期待される男にとって、プロ入り4年目はどういったシーズンとなるのか注目が集まっている。
「打撃に関しては潜在能力を生かしきれていないのは明白で、誰もが歯がゆい思いをしています。監督だけでなく中村紀洋、森野将彦の両打撃コーチも表立って誉める言葉は発しない。本人はもちろん周囲にとっても正念場。中途半端な選手で終わって欲しくない。厳しさを持って指導にあたっているようです」(中日関係者)
10年に1人の素材とも言われ、大阪桐蔭では投打の二刀流として3度の全国制覇を経験。打撃では高校通算32本塁打の長打力と左右に打ち分ける技術でプロから注目を集めた。18年のドラフトでは中日を含む4球団(巨人、ヤクルト、日本ハム)が1位指名。プロ入り後は野手での勝負を決断したが、ここまではプロの壁にぶつかっている。
「技術、メンタル、木製バットへの対応など全ての面で苦労した。高校時代を見ている限り柔軟性が大きな武器に感じたが今のところは発揮できていない。試行錯誤しているが少しずつ良いものを出せるようになっている。まずは打撃で結果を出してフル出場できる環境を作ることが大事」(在京球団編成担当)
プロ入り後は遊撃でのレギュラー獲りを狙ったが京田陽太の壁は高かった。昨年も京田との定位置争いがシーズン前に話題となったが遊撃の守備に就いたのはわずか5試合。今年からは登録も外野手となった。
「遊撃の京田には打撃をカバーできるNPBトップレベルの守備がある。根尾の守備が将来的に伸びる可能性はあるが今は打撃で勝負するしかない。しかし現状の打撃では京田の代わりには物足りない。今季からは外野手登録となったが強打者揃いの中、打たないとそこでの試合出場すら難しい」(中日担当記者)