今季は外野手として定位置奪取を狙うがライバルも多い。根尾の1学年下の岡林勇希はリードオフマンとして開幕戦の出場を当確させ、ドラフト2位のルーキー鵜飼航丞もチームに不足する長打力が売りで期待値は高い。その他にも、異型狭心症からの復活を目指す実績十分の平田良介、今季から外野に回った阿部寿樹らレギュラークラスの選手がひしめく。根尾は外野手としても“居場所”がなくなる危険性もある。
「信じたものを変えない頑固な部分があり、自身で考え過ぎて悩んでしまうこともあった。立浪和義監督からも『あれこれ考える前にバックスイングをしっかり取れ』と言われたほど。中村、森野の両打撃コーチは何度となく根尾と会話を重ねていた。周囲の意見を受け入れながら最適なものを探し求め少しずつ手応えを掴んでいる。結果も出始めているのは良い傾向です」(中日関係者)
プロ入り後は打撃フォームが次々に変わることも指摘された。本人が考えた末に挑戦していたようだが空回りしているようにも感じた。立浪監督もそうした状況を理解しており、「早く自分の形を作ってほしい」とも語っている。中村コーチが「そろそろ俺のこと信じてくれるか?」と声をかけたことでも話題になった。
「立浪監督をはじめ、中村、森野両コーチの熱意は届いています。裸足での練習やスイング時の声出し禁止など、新鮮な指導方法も本人に刺さったはず。結果を求めて焦るのもわかるが、実績抜群である3人のレジェンドが寄り添ってくれている。前を向いて信じてやっていくしかない」(中日担当記者)
プロ1年目はキャンプ前に右ふくらはぎを痛めて2軍からスタートし、シーズン終盤に1軍に昇格したが2試合出場で2打数ノーヒット。2年目もプロ初安打こそ放ったが9試合の出場で23打数2安打。そして3年目の昨季は開幕を1軍で迎え、プロ初アーチを放つなど72試合の出場で打率.178(169打数30安打)という結果だった。苦しんではいるが、徐々に試合数自体は増え、高卒入団の選手として徐々にステップアップはしている。