ロシアのウクライナ侵攻に抗議するデモで掲げられたパネル
ロシアのウクライナ侵攻に抗議するデモで掲げられたパネル
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 全国各地でロシアへの抗議、反戦集会が開かれているが、現場には、高校生や大学生ら10代の参加者もいる。政治に無関心と言われもするが、連日の報道やSNSによる情報収集で意識が変わりつつあるのだろうか? 都内で10代の声を聞いてみた。

 渋谷スクランブル交差点では2月24日のロシアによる侵攻以来、反戦を訴える労働組合や団体が集会や演説をしている。日曜日の昼過ぎ、その演説に耳を傾けていた都内の高校2年の男子生徒(17)は、3月5日に新宿駅南口であった反戦集会「No War 0305」に同級生と参加したという。

「友達が前日にツイッターで見つけて、誘われたんです。今まで戦争なんて全く無縁と思ってたけど、ニュースを見たら僕らも何か意思表示したほうがいいんじゃないか?と思って行きました」

 当日は駅前の歩道がビッチリ埋め尽くされるほど参加者がいたという。

「僕が見た限りでは、数千人はいたんじゃないかなあ。明らかに30代以下という人もかなり多くいました。赤ちゃん連れもいたし、カップルも結構いました。ツイッターには『日本でワーワー言っても無駄』『通行の邪魔。迷惑』って書く人もいたけど、何もしないよりマシだろ、って思いますね」

 支持政党は日本維新の会だった。だが「ウクライナは早く降伏するべきだ」との主張を繰り返す橋下徹氏に幻滅。無党派になったという。

「橋下さん=日本維新ではないとは思うけど、言ってることが支離滅裂。松井(一郎)さんや吉村(洋文)さんが、橋下さんの暴走を止められないのが党の体質なんでしょうね」(男子生徒)

 港区西麻布の閑静な住宅地にあるウクライナ大使館。連日、支援や献花のために訪れる人が絶えない。その中に、4月から都内の大学に進学する、いずれも18歳の女子2人組がいた。入居予定の女子学生寮の下見と手続きのために岐阜市から上京したという。

「戦争が始まるまで特に時事問題に興味はなかったです。でも新聞やテレビのニュースを見て来ることにしました。産科・小児科病院や一般市民の避難施設まで攻撃するなんて、絶対に許せません」(K子さん)

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