2011年3月の東日本大震災で、千葉県浦安市の東京ディズニーランド周辺では液状化が起こり問題になった。しかし、東京ディズニーランドではその被害が比較的、少なかった。東京ディズニーランドの土地は、1978年の建築基準法の改正後に埋め立てられた。その際、「サンドコンパクション・パイル工法」という工法で液状化を防ぐ対策が施されているという。それが軟弱地盤を強化させ、液状化は免れた。
内部文書では、大阪市のIR推進局が大阪IR社の要望を受け入れる意向を示したのは、2021年5月。
<液状化問題について、事業者側で重要視していること、一定の対策が必要であること、事業投資にとって大きな課題となっていることは理解しており、対応について関係部局との協議・検討をしている>
そして、大阪市の松井一郎市長へのレクが2021年6月29日に行われ、<液状化対策費は、土地所有者として市が負担することを決定>とされている。
大阪市の松井市長は、これまで「カジノに税金は使わない」と公言していたが、土地課題対策に790億円の負担を表明している。内訳は液状化対策に410億円、土壌改良対策に360億円、地中障害物対策に20億円となっている。
液状化対策に790億円の半分以上、最も高額の予算が付けられていることから、深刻度がうかがえる。
だが、ここで問題となるのが、東京ディズニーランドは、「サンドコンパクション・パイル工法」で液状化対策を施したが、数百億円ともされる負担は自社で賄った。大阪IR社のように、公費負担は求めていない。
大阪市は液状化について、2017年から広報や大阪市議会でも「夢洲は液状化しにくい」と繰り返してきた。2020年1月には大阪市もボーリング調査を実施して、同様の結論だったという。
それが大阪IR社が大阪市に2021年3月に提出した内部資料ではボーリング調査の報告がこう記してあった。