吉村洋文大阪府知事と松井一郎大阪市長
吉村洋文大阪府知事と松井一郎大阪市長
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 大阪府議会、市議会でカジノを含む統合型リゾート(IR)の関連議案を大阪維新の会と公明党の賛成多数で可決し、4月28日までに国へIR整備計画の認定を申請することになった。

【写真】これまでの経過が赤裸々につづられた内部文書

 大阪府議会は3月24日に可決、府議会では「賛成」していた自民党。市議会では「反対」にまわったものの、大阪維新の会、公明党などの賛成多数で29日に可決された。

 今後は府市、運営事業者、日本のオリックスとカジノ大手のMGMリゾーツ・インターナショナル(米国)が合弁で設立した大阪IR株式会社で、基本合意が締結され、区域整備計画を国土交通省に申請という流れになる。

 一方でIR誘致賛否を問う住民投票を求める活動が25日、スタートした。大阪府の有権者の50分の1にあたる約15万人分を目標に、署名活動をしている。そんな中、AERAdotは3月22日に報じた『大阪カジノでオリックス、MGMと大阪府市が交わした協定書の全文入手』に続き、大阪市がIRの予定地、夢洲の土地課題を時系列でまとめた<事業者との協議経過の概要等>という内部文書を入手。そこには驚くべき経過が記されていた。

 土地課題の<地中障害物の取扱い><土壌汚染の取扱い><液状化の取扱い>3点と、国際会議場部分となるMICE(Meeting、IncentiveTravel、Convention、Exhibitionの頭文字)についての<MICE施設の整備段階の取扱い>と分けて論じている。

 その中で目を引くのが、2021年3月に大阪IR社側から液状化に対する意見として<東日本大震災において、千葉県周辺埋立地は大きな液状化を生じる中、ディズニーランド(大型集客施設・テーマパークとしての類似性)は大きな被害が生じず、液状化対策事例としても社会的に注目>と記されていることだ。

 カジノと国際展示場を併設するIRは、東京ディズニーランドと同程度の液状化対策を施すように、求めているのだ。

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東京ディズニーランドは企業側が負担