「お話があった当時は、まだポップスを駅のメロディーに使っている例が少なくて。参考に出来る音源がなく、長さとかどうしたらいいのかわからなくて。試行錯誤しながら作りました。何種類か出したうちから選んでもらったはずです。新幹線もそうなんですが、やはり駅で流れているのを聞くのは嬉しいですね」とタケカワさん。
今ではポップスのヒット曲が駅のメロディーで使われることも増えましたが、アーチストが実際に音源を手掛けているのは、GReeeNによるJR郡山駅の「キセキ」「扉」など、極めて少ないのです。
その大泉学園駅は、まるで「銀河鉄道999」の聖地のよう。駅ロータリーにはメーテルと鉄郎の銅像と、線路下を埋め尽くす大きなイラストがあり、駅構内には「999」の垂れ幕に、「車掌さん」のオブジェ。西武鉄道のイベントの際には「出張」もするのだとか。映画ではメーテルと鉄郎を見守っている車掌さんは、私たちをも静かに見守ってくれている存在なのかもしれません。
■メーテル役の神田沙也加さん急逝、花總まりさん代役に
いっぽう4月8日に東京・日本青年館で開幕するミュージカル「銀河鉄道999」は、実は開幕が危ぶまれていました。メーテル役を務めるはずだった女優の神田沙也加さんが昨年12月に急逝したためです。神田さんは生前「メーテルは永遠の存在だなと感じていましたので光栄です」とコメントしていました。
代役を打診された花總まりさんは、神田さんが憧れ、目標にしていた女優でした。悩んだ末、出演を決めた花總さんは「公演が中止になってしまったら、さーや(神田さん)の舞台への思いも一緒に消えてしまいそうな気がしました。さーやと一緒に、心をこめて精一杯メーテルを生きたい」とコメントしています。
中川晃教さんは、ティーンエイジャーの鉄郎役に挑みます「鉄郎はひたむきに生きる人間の強さを秘めた少年で、生きる目的とは何か、みんなが幸せになりたい未来とは何かを考えています。その姿勢にメーテルは心を動かされていきます。この宇宙で『沙也加』という名の星が輝いてくれている限り、私たちの目的地を照らし、見守ってくれていると思います」と話しています。
いろんな人の思いをのせて「銀河鉄道999」は走り続けます。