世の中で、芸人さんなどに「ものまね」される人やいじられて笑いにされる人。たくさんいるだろうが、大事なのは、その対象となった人が怒りや悔しさ以上に「確かにな!」とか「悔しいけど、そういうとこあるわ」と自分が気づいてない自分に光を当てられた時。

 そこはもうジョークや笑いとして成立している気がする。

 だが、もし。そのジョークやものまねで、周りは笑っていても、その本人が、ただただ悲しかったり傷ついてしまった時はどうなんだろう?と思う。僕はそれをジョークとは言いたくはない。

 アメリカのアカデミー賞でのウィルスミス事件。暴力は絶対にダメだということは大前提にしながらも、あのクリスロックのジョーク。あのジョークを言われたウィルスミスの奥さんがどう思っていたのか? そこすら受け止めて「確かに」と思ってるかもしれないし、傷ついてるかもしれない。そこを考えることも大事なんじゃないかなと思ったりする。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。毎週金曜更新のラブホラー漫画「お化けと風鈴」の原作を担当し、自身のインスタグラムで公開、またLINE漫画でも連載中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)、長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が発売中。

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