※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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 初創作物語ということで、小説の書き方の本を読み、書き直しを繰り返し、普段書くコラムの何倍もの労力を費やしました。現実離れしすぎないように気をつけつつ、でも現実ではあまり起き得ない展開で話を進めていくのにはかなりの苦労がありました。ネットでの反応もそこそこで、ミステリアスな感じが興味をそそられるとのコメントもありました。

 ただ、まぁ実際書いてみてわかったことですが、創作に関しては物語をつくるプロに任せたほうが良いということ。当たり前のことですがは餅屋です。素人がいくら頑張ってみても、そう簡単に面白いストーリーを作れるわけではありません。私は皮膚科の医者であって小説家ではないので、割ける時間も才能もプロの方には到底及びません。

 そう考えると、皮膚科医が主人公の漫画やドラマは、プロの方が物語を作り、監修として専門の皮膚科医が入るほうが良いのだと感じました。これを読んでいる製作関係者の方で、皮膚科医が主人公の話を作りたいという人がいたら、ぜひアエラドット編集部または私にご連絡をください。

 もともとは皮膚科の魅力を伝えるために取り組んだプロジェクトです。形がどうであれ、多くの方に皮膚科って実は奥深いということが伝わるようにこれからも情報発信していきたいと思います。

 個人的には、もう少し工藤順一の物語を書いてみたいという気にもなりました。この先、もしかしたら皮膚科医工藤が活躍するショートストーリーをここでお届けするかもしれません。工藤を通して少しずつ皮膚科の魅力を伝えていきたいと思います。

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大塚篤司

大塚篤司

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。皮膚科専門医。アレルギー専門医。がん治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman

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