放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回はカネボウ化粧品の「ケイト リップモンスター」を取り上げる。
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その昔、国内の大手化粧品会社による販促キャンペーンは「春は口元、秋は目元」だった。つまり、口紅とアイシャドー。それに合わせて製作されたCMソングは、どれも大ヒットした。松田聖子の『Rock’n Rouge』や、堀内孝雄の『君のひとみは10000ボルト』はその代表だ。が、当時、全局で全曜日に存在した歌番組のスポンサーに競合メーカーがついている場合、歌い手は当該曲の歌唱を許されず。視聴者が「なにこれ?」「聴いたことがない」と首を傾げてしまうB面を歌わされたものである。
あれから約40年。まさか口紅の新色に心躍らされない春が3年連続で訪れるなんて誰が想像しただろうか。
理由はもちろんマスク。「内側が汚れているのを見ると気分が凹むので、最初から塗らない」「だから本当に口紅が減らない」という女性、多数。
朝、せっかくキレイに塗った口紅の赤やピンクがマスクの内側に付着しているのを目にすると、なんだか気分が凹む。外したとき、だらしがない人に見えやしないかと心配にもなるようだ。
そんな多くの女性の悩みを解消してくれるのが、「つけたての色がそのまま持続」「落ちにくい口紅」と謳う『KATE』の「リップモンスター」である。