ジャーナリストの田原総一朗氏は、北朝鮮による新型大陸間弾道ミサイル「火星17」の発射に憤りを隠さない。
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北朝鮮が3月24日に、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」の発射実験をした。
岸信夫防衛相は25日の会見で、新型ICBMの射程について「弾頭の重さにもよるが、1万5千キロを超えうる。その場合は東海岸を含む全米全土が射程に含まれる」と話した。
実際に、朝鮮中央通信が日本海の公海上に着弾したとした「火星17」の最高高度は6248.5キロで、北朝鮮が2017年11月に発射した「火星15」の飛行高度4475キロを超える過去最高の高度となったようだ。
さらに、約71分間という飛行時間は過去最長で、岸防衛相は「これまでの一連の発射とは次元の異なる、深刻な脅威だ」と述べ、「許されない暴挙」と非難した。
「火星17」は一昨年10月の平壌での軍事パレードで初めて確認された新型ICBMである。金正恩総書記は、新型ICBM開発の成功を誇示し、「米帝国主義との長期戦に向け徹底的に準備していく」「いかなる危険な軍事的脅威も抑止できる万端の準備態勢にある」と、米国を名指しして牽制(けんせい)した。
北朝鮮の意図は何なのか。
03年、私はイラクに飛んだ。フセイン大統領にインタビューするために、である。
ところが、バグダッドに着いた後、フセイン氏の側近が「残念ながらフセイン大統領には会わせられない」と言いだした。私の行動はすべて米国のCIAがつかんでいて、フセイン氏と会った瞬間に米軍機に爆撃されるからだという。
その代わり、副大統領のラマダンにインタビューしてもらいたい、と提案された。そこで、ラマダン氏と会った。彼は率直で、駆け引きのようなことはしない人物だった。
ラマダン氏は、「米国が『イラクは核兵器を隠し持っている。だからイラクをぶちのめすのだ』と宣言している。だが、実を言えば、残念ながら我々イラクは、まだ核兵器を開発できていない。米国はそのことを知っている。だから戦争を始めるだろう。我々が核兵器を持っていれば、戦争などできないはずだが……」。