さらには第6波の主流だったオミクロン株のBA.1からBA.2への置き換わりも進んでいる。東京都が実施したPCR検査では、3月15日から21日でBA.2の疑いの変異株が427件検出され、オミクロン株全体の約52%を占めた。

 厚生労働省の資料によると、都内のBA.2の割合の予測は、5月1日時点で99%になっている。BA.2はBA.1と比べ、世代時間(感染後に他の人にうつるまでの日数)が短く、実効再生産数(感染者1人が何人に感染を広げるか)は26%高い。

 イギリスではワクチン未接種者を中心に、BA.1に感染後、BA.2にも「再感染」したという事例が報告されている。

 一方、各国では4回目のワクチン接種も進んでいる。イスラエルでは昨年末、すでに4回目の接種を試験的に始めており、米国でも3月29日、3回目接種から4カ月以上経った50歳以上を対象に4回目が始まった。

 日本では、接種券などの準備を進めており、早ければ5月にも4回目のワクチン接種を開始するという。接種間隔は5、6カ月とし、既に3回目を打った人全員を対象とする予定だ。

 だが、4回目接種の効果を不安視する声もある。北里大学の中山哲夫特任教授(臨床ウイルス学)はこう話す。

「今打っているワクチンは武漢由来の株で作られていますが、ウイルスは変異しているわけです。2回目接種の予防効果が90%から95%で、3回目の接種ではそれが70%から80%に落ちています。4回目接種の効果も3回目とそんなに変わらず、2回目のような顕著な予防効果はあまり期待できないです。人の移動が多い年度初めは特に注意が必要で、3回目のワクチン接種を進めると同時に、ソーシャルディスタンスの確保など、今までやってきた基本的な感染対策もおろそかにしてはいけません」

 花見や歓迎会などが開かれる4月は感染者が増えており、2020年以降、毎年緊急事態宣言が発出されてきた。

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